2025東北縦断ソロツーリング④

map2025.08.23
この日のルート

八甲田へ

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月23日朝、青森のホテルを出発。国道103号でひとまず八甲田山の懐に登っていく。以前、八甲田登山の際にバスで通った道なので、カーブの状況や高低差についてはある程度わかっている。冬は豪雪の酸ケ湯温泉を過ぎて、笠松峠を越え、奥入瀬渓谷の下流部に下っていく。ブナ林の美しい樹林帯の中の道路はとても気持ちがいい。朝なので対向車もほぼ皆無だし、同じ方向に走る車もバイクもほとんど見かけない。
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笠松峠

国道102号に合流して奥入瀬渓谷上流部に向かっていくが、車両は途中から渓流とは離れて国道102号に移ってしまう。以前(2012年7月)に奥入瀬渓谷を歩いた時には、渓谷沿いの道路が一般車両にも開放されていたが、どうやら車の流れを奥入瀬から分離する動きが出ているようだ。渓谷美を堪能しながらゆっくり流せるかなと思いながらここまで来たのだが、残念なことに山の中の傾斜だけはきついバイパス道路が国道102号だった。そしてたどり着いたのは十和田湖の外輪山の稜線。ここから十和田湖の湖面までつづら折れで下っていく。最初はずっと下に見えた湖面がみるみる近づいてきて、同じレベルになった。子ノ口で以前の奥入瀬渓谷と絡んでいる国道103号と合流する。

十和田湖畔の泥

だが、湖畔道路にはあちこちで水が流れていて、単なる「洗い越し」なら水に濡れるだけだからいいのだが、細かな泥と混じって茶色い水が道路上にあふれている場所があちこちに出てきた。前日に雨がかなり降ったのかどうかは不明だが、路面が乾いていても泥が路面に付着している箇所もあり、想像するに常時外輪山からしみ出てきた水が細かな粒子の泥を伴って路面を流れているのではないかと思えてきた。避けられる泥水はなるべく回避するが、限界である。子ノ口から宇樽部(湖畔にキャンプ場がある半島つけ根部分)までのわずかな距離で、革パンツの下半分が泥で真っ白になってしまった。水が浸透しないライディングパンツでまだ救われたが、公衆便所のある駐車場にバイクを入れて濡らしたタオルで何度も拭かないと革パンツの泥は拭えなかった。もちろん、バイクはエンジン回りだけでなく全体の下半分が真っ白になっている。エンジンが熱いのですぐに拭くことはできず、しばらくはそのままだが、ツーリング全日程を通じてほとんど雨が降らなかったのに、この数キロで雨が降った時よりもひどいダメージを受けてしまった。後日栃木のアパートでバケツに水を汲んで洗車したが、それでも手の届かないところは泥が付着したままで、プロの手を借りないとバイクがキレイにはならなかった。これはショック。
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わずかな距離でこの泥(泣)接近するともっと酷い
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さよなら、忌まわしき十和田湖

いよいよ秋田へ(小坂・大館・北秋田・能代)

十和田湖畔を南岸まで抜けて、秋田県に入ってすぐ国道103号で発荷峠を通り、秋田県道2号で小坂町方面へ下っていく。音声ナビの「斜め右方向」を無視して下ったら、道の駅「こさか七滝」にたどり着いた。青森から走りずくめ(一度革パンツを拭いたが)で、けっこう疲れていたので休憩。道の反対側にある七滝を見に行き、飲み物を飲んだりして少し長く休憩した。
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小坂町の七滝
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両隣の車に比べると愛車は小さい・・

再出発。県道2号を戻りつつ、ナビが指示した砂子沢ダム方面に向かい、そのまま音声ナビを信じて走っていたら、無料共用されている秋田自動車道に乗ってしまった。大館南から先は有料区間になるので、再び国道103号に戻って西へ向かう。次の休憩は道の駅「たかのす・大太鼓の里」。北秋田市の道の駅だ。ここで、おそらく地元の人だろうと思しき250ccスクーターの横に駐車したら、よく日に灼けた白い無精ヒゲを生やしたおじさんが話しかけてきた。どうやらともに北海道から南下してきた途中ということがわかったが、そのおじさんの足元を見たらビーチサンダル。その脚までよく日に灼けている。こんな普段着で気楽に北海道行って戻ってきたのかと思うとおかしくて仕方ない。少し向こうに、改造したおしゃれなバイクで乗りつけた若い女性がいて、私が話していた白ヒゲのおっさんが声をかけた。彼女は地元民で、仲間と待ち合わせして走りに行くところのようだ。お仲間はハーレーに乗っているらしいが、彼女が乗っているバイクはエンジン形状からカワサキWである。エンジン脇にべベルギアタワーがあるのですぐにわかる。元はW400で排気量は400ccらしいが、大きなホイールを着けているので、車検はどうするの?と聞くと、度ごとにノーマルに戻さないと車検が通らず苦労しているとのこと。大変だなあ・・私ならそれが面倒でずっとノーマルにして乗ると思う。

何もない干拓地から男鹿半島へ ラッキーな昼食

正午を回り、再びバイクに乗る。能代でも無料高速に誘導されそうになったがそれを振り切り、三種町から大潟町に入って八郎潟の広大な干拓地の中を走る県道42号で南下した。だがもう13時を過ぎている。このまま男鹿半島に入ると昼食にありつけない可能性も出てくる。国道101号を走っていたら、男鹿半島に本格的に入る直前に「浜のそば」というのぼりを発見。Uターンして路地を入ってみたら、普通の民家のようなところに蕎麦屋があった。海岸沿いで本格的蕎麦屋というのは珍しいし、何となく雰囲気が合わないような気がするが、ここで食べてしまおうと思って暖簾をくぐり声をかけた。だが見渡すと座敷で食べるみたいだ。私は編み上げブーツを履いているので、時間のかかるブーツの脱ぎ履きはあまりしたくない。そこで、外で食べるわけには行かないだろうかと相談したのだが、気楽に応じてくださり、折畳み長机と折畳み椅子を玄関先に出してもらって食べることになった。室内だろうと屋外だろうとそこまで気温が変わるわけではなさそうだ。十割もりそば大盛りを注文、すると野菜てんぷら3点と、いぶりがっこがおまけで付いてきた。サービスらしい。14時閉店のところ30分前に飛び込むことができ、蕎麦自体も美味しかったし、言うことはない。しかも後から調べたら土日のみ営業ではないか。これはラッキーだった。
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浜のそばの店先
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十割盛りそば大盛り(てんぷらといぶりがっこのサービス付き)

男鹿半島とババヘラアイス
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入道崎灯台

再びバイクにまたがり、県道85号で入道崎に達するが、灯台も小さければ駐車場に面してお土産店、飲食店が並んでいるのでほとんどポイントを経由したという程度しか感慨はなく、まもなく海岸線に沿って南下。男鹿水族館のあたりだけは観光客が集中していたが、あとは道路も休憩所も空いていて、戸賀湾展望公園で少し休憩。
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戸賀湾展望公園から男鹿水族館と日本海

さらに南下してゴジラ岩でも停車してみたが、そろそろこれで自然の景勝地は終わりだ。あとは単調な海岸線に沿って男鹿市・秋田市・由利本荘市と数十キロ南下しないといけない。移動モードになって無心で走り始めたとき、海岸沿いの鵜ノ崎海岸公園駐車場の入口にパラソルとおばさんを発見!ババヘラアイスの立ち売りだ。もともと、うっすらと秋田の一般道を走りながらババヘラアイスを買って食べたいとうっすら思っていた。しかし出会うのはなかなか難しいもので、観光地の駐車場は営業許可の関係で難しそうに思えていた。ここで見つけるとは・・バイクを駐車場にいれ、売り子のおばさんに「ようやく見つけました〜」と言って近寄り、1つ注文する。あっというまに白とピンクのアイスがカップに塗り付けられ、ババヘラアイスが手渡された。すぐ溶けるから気をつけて、と言われ、慌てて食べる。確かに溶けるのは早い。口の中が冷たくなりながら、ババヘラアイスを食べられた喜びに満ちていた。実はその後由利本荘にたどり着くまでに海岸沿いの駐車場でもう一人売り子のおばさんを発見したのだが、2回目のアイスは買い求めなかった。
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ババヘラアイス(作成過程は末尾の動画でご覧下さい)

単調な直線道路を移動

あとは単調な海岸線に沿った道路を南下するのみ。男鹿市を過ぎて立派な道路になった国道101号から県道56号、国道7号と走りつないでいく。燃料計も警告灯が点灯したので、給油。青森からちょうど300km、11.28L。価格は169円/Lだった。由利本荘の国道沿いホテルに着いたのは17時ころ。距離を走った割には早く着いたと思う。信号が少ないおかげである。ホテルの立地が市街地から離れているので、夕食はホテル内のレストランで済ませる。明日は朝イチで鳥海ブルーラインである。